歯科衛生士の月給と賞与

就職・転職活動の必須知識、給与・賞与の基本を復習!

歯科衛生士の都道府県別データも徹底紹介

歯科衛生士が就職・転職活動を行う際、必ずチェックするのはお給料事情です。しかし、お給料に関連した用語は正しく知っているつもりでも曖昧なものも多いです。この記事では、就職・転職活動で知っておくべき用語をおさらいします。さらに、歯科衛生士のお給料事情について、厚生労働省の発表している都道府県別データをピックアップして紹介します。この記事を読んで、これからの就職・転職活動で役立ててくださいね。

歯科衛生士が知っておくべき「給料・給与」等の基礎知識

給料明細に記載されている用語は正しく知っておこう
 働いていると「給料」「給与」といった用語を耳にします。似たような言葉でややこしいため、正しく意味を理解していないことが多いものです。実際、「給料」と「給与」を同じ意味として捉えていることや、「給与」と「賞与」の関係性がよく分からないことが少なくありません。これらの用語を正しく理解しておくことは就職・転職活動で必須です。
「給料」とは
「給料」はいわゆる基本給のことを指しています。実は、各種手当や残業代は含まれていないのです。話し言葉においては「今月の給料低い!」などと表現することがありますが、昇給や減給がない限りは「給料」は変化しません。このような会話を行っている時には、ほとんどが「給与」を指しています。
「給与」とは
「給与」とは、各種手当(歯科衛生士の資格手当など)や残業代が全て含まれた「会社から受け取る報酬」すべてを指しています。所得税法28条によって「給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費収び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう」と、明確に定義されています。察しの良い人ならば分かると思いますが、実はここには賞与も含まれています。これらを区別するために月々の給与を「定期給与」と表現することもあります。ちなみに、今では少ないですが、現物支給(お米など)も給与に含まれます。
また、交通費・ガソリン代は報酬ではないので、含まれません。
「総支給額」とは
 「総支給額」とは、基本給に各種手当等を含んだ金額のことを指します。実際に手にする「給与」は、ここからさらに住民税や厚生年金といった控除(税金など)が引かれた金額になります。あくまでも「総支給額」は手にする金額ではないことを押さえておきましょう。
「賞与」とは
 「賞与」とは、いわゆるボーナスのことです。「定期給与」と別に支給される「給与」であり、賞与以外には特別手当という名称がつくこともあります。一般的には、夏と冬といった時期に年2回支給されることが多いです。

歯科衛生士が知っておくべき「賞与」の知識

「賞与」は基本給によって決まる
 「賞与」の金額は「給料〇カ月分」といった形で表現されることが多いです。このとき、「総支給額〇カ月分」というように、各種手当を含めた金額と解釈する人もいますが誤りです。先述したように「給料とは基本給を指す」ものですから、厳密には「基本給の〇ヵ月分」となります。ややこしい用語が多いため、間違わないようにしましょう。
「賞与」は新入社員ももらえるのか
 例えば、4月から働き始めた新入職員が、夏の賞与を貰えるかどうかは歯科医院によって大きな差があります。1)夏の賞与が全く貰えない歯科医院、2)夏の賞与は寸志(1~5万円程度)のみ貰える歯科医院、3)夏の賞与は他の歯科衛生士と同様に全額貰える歯科医院。このように大きくは3パターンに分けられます。実際には1)もしくは2)であることがほとんどであり、3)のパターンはほぼあり得ないでしょう。この点については面接や見学の時には聞きにくい部分であるため、転職エージェントを活用して聞くようにすることがおススメです。転職エージェントとは、転職に関する知識や多くの歯科医院の特徴を熟知したプロです。あなたに合った歯科医院を必ず見つけてくれるパートナーと言えます。
「賞与」に関する規定がある場合も
 小規模の歯科医院においては、院長の裁量によって「賞与」の金額を設定していることがほとんどです。しかし、一般企業においては規定を作っていることがほとんどです。例えば、7月中旬に夏の賞与が支給される場合には、「1月1日~6月30日」に在籍していることを条件とする。などと決められています。このような場合、在籍期間が半分の日数であれば、半額のみ支給されるといったケースもあります。働こうと考えている歯科医院がどのような規定を作っているのか、これも転職エージェントを活用して情報収集してみましょう。
退職のタイミングは「賞与」支給後に
 歯科衛生士は売り手市場であるため、条件の良い歯科医院があればいつでも転職することが出来ます。そして、もし年度途中で転職する場合にも、賞与はしっかり貰ってから辞めたいものです。そこで、あなたが職場から賞与をしっかり貰ってから退職したければ、賞与支給後に申し出ることが望ましいです。これは、賞与の金額は院長の裁量によって決めることが出来るので、退職の意思があることによってあなたの査定が変わり、減額される可能性があるためです。
「賞与」を貰い逃げしない
 よく「賞与さえちゃんと貰えたら、どうでも良い」と、賞与支給直後に退職する歯科衛生士がいます。これは「賞与の貰い逃げ」というイメージを作ってしまい、歯科医院に勤めるスタッフに対して心象を悪くしてしまいます。特に歯科医院の世界は狭いものです。あなたが面接にいった先の歯科医院の院長と、辞める歯科医院の院長が友人であるといった可能性は低くありません。そのような場合「〇〇さんが、おたくの歯科医院から転職希望なんだけど、どんな人?」といった連絡をしている場合があります。筆者は理学療法士ですが、実際にそのようなやり取りが行われているといった話を耳にしたことが何度もあります。賞与を貰って退職するからこそ、誠実な対応をするように心がけましょう。

歯科衛生士の都道府県別給与・賞与

賃金構造基本統計調査を調べてみよう
賃金構造基本統計調査とは、厚生労働省が年に一度実施する調査のことです。日本の労働者の賃金の実態を調査することを目的に行われており、職種・年齢・性別・都道府県別など様々な分類から賃金の実態を知ることができます。今回の記事では、平成30年度における賃金構造基本統計調査を読み解きます。ちなみに、全ての県が同一人数を調査しているわけではありません。100人以上を対象にした県もあれば、データがない県もあります。その点に留意して、あくまでも傾向として読み解くことが良いでしょう。また、今回は歯科衛生士に多い女性のデータのみを参考にしています。特に大切である、年齢・勤続年数・給与(定期給与)・賞与をピックアップしています。
歯科衛生士における都道府県別給与・賞与のデータ一覧
全国 年齢:34.8歳、勤続年数:5.8年、給与26.7万円、賞与41.8万円
01:北海道 年齢:31.2歳、勤続年数:2.3年、給与21.4万円、賞与37.4万円
02:青森 年齢:25.5歳、勤続年数:2.5年、給与17.4万円、賞与78.4万円
03:岩手 年齢:40.3歳、勤続年数:6.9年、給与23.5万円、賞与50.2万円
04:宮城 年齢:29.7歳、勤続年数:4.4年、給与25.0万円、賞与63.8万円
05:秋田 年齢:64.5歳、勤続年数:44.5年、給与26.6万円、賞与37.0万円
06:山形 データなし
07:福島 年齢:25.5歳、勤続年数:2.5年、給与17.4万円、賞与78.4万円
08:茨城 年齢:25.5歳、勤続年数:0.5年、給与16.9万円、賞与0万円
09:栃木 年齢:30.4歳、勤続年数:5.3年、給与20.2万円、賞与56.8万円
10:群馬 年齢:30.5歳、勤続年数:5.7年、給与25.5万円、賞与55.2万円
11:埼玉 年齢:37.9歳、勤続年数:5.8年、給与30.7万円、賞与33.5万円
12:千葉 年齢:31.1歳、勤続年数:3.2年、給与22.8万円、賞与12.0万円
13:東京 年齢:32.3歳、勤続年数:5.8年、給与29.3万円、賞与37.0万円
14:神奈川 年齢:37.6歳、勤続年数:7.4年、給与28.6万円、賞与29.3万円
15:新潟 年齢:39.3歳、勤続年数:5.3年、給与24.2万円、賞与22.8万円
16:富山 年齢:39.6歳、勤続年数:17.1年、給与32.1万円、賞与152.4万円
17:石川 年齢:42.0歳、勤続年数:10.0年、給与27.5万円、賞与70.7万円
18:福井 年齢:38.5歳、勤続年数:10.5年、給与21.5万円、賞与52.5万円
19:山梨 データなし
20:長野 データなし
21:岐阜 年齢:29.3歳、勤続年数:4.3年、給与27.1万円、賞与25.7万円
22:静岡 年齢:50.0歳、勤続年数:11.8年、給与24.7万円、賞与87.5万円
23:愛知 年齢:33.5歳、勤続年数:6.7年、給与27.4万円、賞与62.7万円
24:三重 年齢:41.5歳、勤続年数:4.1年、給与22.0万円、賞与56.3万円
25:滋賀 年齢:41.5歳、勤続年数:6.5年、給与31.8万円、賞与107.4万円
26:京都 年齢:42.4歳、勤続年数:11.7年、給与21.1万円、賞与50.3万円
27:大阪 年齢:36.5歳、勤続年数:3.0年、給与30.4万円、賞与22.3万円
28:兵庫 年齢:33.2歳、勤続年数:5.6年、給与29.0万円、賞与44.0万円
29:奈良 年齢:48.5歳、勤続年数:2.5年、給与20.1万円、賞与61.8万円
30:和歌山 データなし
31:鳥取 年齢:45.5歳、勤続年数:11.5年、給与21.7万円、賞与62.9万円
32:島根 年齢:46.5歳、勤続年数:22.5年、給与30.5万円、賞与116.5万円
33:岡山 年齢:34.0歳、勤続年数:1.9年、給与20.3万円、賞与23.2万円
34:広島 年齢:49.5歳、勤続年数:11.7年、給与22.1万円、賞与40.1万円
35:山口 データなし
36:徳島 年齢:40.5歳、勤続年数:7.8年、給与29.5万円、賞与96.2万円
37:香川 年齢:46.9歳、勤続年数:12.3年、給与23.3万円、賞与44.2万円
38:愛媛 年齢:25.5歳、勤続年数:3.5年、給与23.6万円、賞与78.8万円
39:高知 年齢:41.4歳、勤続年数:6.8年、給与20.7万円、賞与57.8万円
40:福岡 年齢:35.8歳、勤続年数:7.8年、給与26.7万円、賞与38.1万円
41:佐賀 年齢:46.5歳、勤続年数:10.5年、給与23.1万円、賞与67.5万円
42:長崎 年齢:35.1歳、勤続年数:4.5年、給与20.0万円、賞与74.6万円
43:熊本 年齢:30.8歳、勤続年数:3.8年、給与22.1万円、賞与33.6万円
44:大分 年齢:32.8歳、勤続年数:5.8年、給与22.5万円、賞与33.5万円
45:宮崎 データなし
46:鹿児島 年齢:37.9歳、勤続年数:4.7年、給与20.0万円、賞与48.2万円
47:沖縄 年齢:32.2歳、勤続年数:1.8年、給与17.5万円、賞与2.0万円
(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)
都市部では給与が高い傾向がある
 今回のデータからは大まかな傾向が見えてきます。都市部を代表する東京は年齢:32.3歳、勤続年数:5.8年、給与29.3万円、賞与37.0万円となっております。同様の年齢や勤続年数には、北海道・熊本・大分があります。これらと比較すると、賞与はさほど変わりませんが、給与が7~8万円ほど高いことがうかがえます。また、新潟・福井・鳥取・広島・徳島・香川・高知・福岡・佐賀・長崎・鹿児島といった東京よりも年齢が高い県と比較しても、やはり東京の給与は高いことがうかがえます。この傾向は、大阪でも同様にみられます。やはり、都市部では給与が高い傾向があるといえるでしょう。
都市部では家賃や物価が高い
 都市部では給与が高いからと言って、実質の手取りも増えるとは一概には言えない部分があります。それは、都市部であればあるほど、家賃や物価が上昇する傾向があるためです。高い給料の歯科医院に就職しても、ワンルーム10万円のアパートで独り暮らししていると生活は少し厳しいものになってしまうでしょう。都市部から少し離れることで家賃の低い地域もあるため、都市部の歯科医院に勤務する時には住む場所をよく考える必要があるでしょう。
どのような生活・働き方がしたいのかを考えよう
 このように都道府県別のデータを眺めてみると、一定の傾向が見えてきます。このデータを基に、あなたがどのような生活をしたいのか、どのような働き方をしたいのかを見つめながら歯科医院を選ぶようにしましょう。都市部で生活しながら働くことも、地方で生活しながら働くことも、どちらもそれぞれにメリットとデメリットがあります。一概にどちらが良いと決めれるものではないので、一度考えてみましょう。このとき、転職エージェントを活用してみると良いでしょう。あなたが希望する生活や働き方を相談しながら、ぴったりの歯科医院を見つけてくれます。一人で情報収集するには何事にも限界があります、是非ともプロを頼ってみてくださいね。

おわりに

 この記事では、就職・転職活動で知っておくべき「給料・給与」等の用語をおさらいしました。さらに、平成30年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査から、歯科衛生士における都道府県別の給与や賞与のデータを抽出し、都市部と地方を比較してみました。この記事を参考に、是非とも働き方を一度考えてみてください。

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【著者:喜多 一馬】

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