転職活動

審美歯科への就職活動

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審美歯科が人気

誰でも投稿することのできる、画像や映像を中心とするSNSやコミュニケーションツールが生活に欠かせないものとなっている今、日本でも欧米のように身だしなみとして「口元のケア」が注目されるようになりました。そのため「美しくなりたい」という志向が、従来のように若い女性の間だけのブームに留まらず幅広く高まっています。

歯科業界においても、これまでのように治療するということだけでなく、美しさと機能性の両立を求める患者さんのための歯科医療として「審美歯科」に注目が集まっています。そして、そのニーズに伴い、歯科衛生士をはじめとする歯科業界に従事するスタッフにとっても「就職したい診療科目」として、審美歯科の人気が非常に高くなってまいりました。

ホワイトニングを中心に診療を行っている歯科医院は、大都市の都心部を中心に、ここ数年の間でかなり増えています。大きな商業ビルには、必ずホワイトニング専門の歯科医院が1~2軒入っている、といっても過言ではない勢いで増え続けています。

いまや、審美歯科中心の「歯科サロン」は、歯科医院の新しい業務形態として1ジャンルを形成しています。特に、ホワイトニングやデンタルエステを中心におこなう歯科サロンでは、歯科衛生士が主役となって活躍できるステージ。審美歯科のなかでも、特にホワイトニング関連の求人に興味があるという歯科衛生士が急増中です。

審美歯科での歯科衛生士の仕事

審美歯科が手掛けるのは、歯や口元の美しさにフォーカスした総合的な歯科治療。審美歯科でおこなう歯科治療には、虫歯や歯周病など悪くなったところを治す側面と、よく噛めるように噛み合わせや失った歯の補完をするといった機能的な側面に加え、白くて見栄えのよい歯にすること、歯並びを美しく整えることといった、美観的な側面が重要な位置を占めています。このすべてを満たし、より美しさを追求する歯科治療が審美歯科でおこなわれる診療です。

ここで歯科衛生士が担う仕事は、歯のクリーニングやホワイトニング、歯科医師の補助といった治療や診療に直接かかわる行為だけではありません。特に、患者さんのご希望を聞いたり、真意を掘り下げて深いところに潜んでいるニーズを明確にしたりといった使命を担っていることもあります。コミュニケーション力が非常に大切になる仕事です。

治療技術を磨き歯科についての知識を高めて診療をおこなうだけでなく、接客の要素が強くなりますので、人に喜んでもらうことが好きな「おもてなし精神」のある方に向いている診療科といえるでしょう。

審美歯科を志す歯科衛生士に話を聞くと、「歯をきれいにするだけでなく、患者さんの気持ちを前向きにさせられることが嬉しい」といいます。人と接することや人を助けることに喜びを感じられる、非常にやりがいのある仕事です。

審美歯科での診療

審美歯科で提供される歯科治療は、治療であって治療の枠におさまらない、生活の質…クオリティ・オブ・ライフの向上をさせる人道的な意味合いも大きい社会的意義のあるサービスです。噛み合わせや歯並びが整うことで、これまで笑ったり喋ったりすることに不安を感じていた人が、歯を見せて堂々と笑い、はっきりと発音して喋り、人と一緒に笑い合ったり会話を楽しんだりできるようになることも少なくありません。

しっかり食べ物を噛めなかった人が、自分の歯でものをおいしく味わって、自由に食べたり飲んだりできるようになることもたくさんあります。自分で噛めること…それは全身の健康にもつながりますし、なにより人生に大きな喜びを与えます。

年齢を重ねるとともに歯の黄ばみが気になっていて前向きに行動できなかった人が、ホワイトニングで白い歯を手に入れたことで自信をつけて、「面接やオーディションに受かった」「婚活がうまくいった」といった好機を招き、人生さえも良い方へ大きくシフトチェンジできてしまうきっかけになることもあるのです。

そんな素敵な変身のお手伝いができる審美歯科。国家資格をもつ歯科衛生士としての専門知識や技術をフルに生かして活躍できる歯科診療科です。一般的な診療科目の歯科医院よりも、歯科衛生士としてキャリアアップを目指せる歯科医院が多いため、「成長したい」「自分の可能性を伸ばしたい」と考え、審美歯科を志す歯科衛生士が増えているのも納得です。

審美歯科のお給料

お給料に関しては、一概には言えませんが、審美歯科やホワイトニング専門の歯科医院については、一般的な歯科医院よりも歯科衛生士のお給料が少し高めであることが多いと言えそうです。

審美歯科は、保険が適応する範囲内での治療よりも自費で行う自由診療率が高いのも特徴です。なかには、自由診療のみ扱っているという審美歯科もあるほどです。そのほうが必ず歯科医院として流行るわけではないとはいえ、医院として安定した経営につながります。

新しい技術や治療法を学ぶなど、経営努力を怠らない歯科医院が多いのも特徴だと思います。そういったことを鑑みても、先進的な審美歯科で勤務するスタッフのお給料については、順調にレベルアップしていくことが期待できそうです。

また、歯科医院によっては、歯科衛生士が自分で患者さんから自費診療を受注した際には、歩合報酬が得られるケースもあります。ぜひ転職エージェントを使って事前に情報収集してみて下さい。

審美歯科のお休み

さらに、審美歯科が職場として人気が高い理由のひとつに、ほとんどが「完全予約制」を採用しているという点が挙げられます。虫歯治療などを中心におこなっている歯科医院の場合、急な飛込みの患者さんが多くなりますが、審美歯科の場合がほぼ予約制。急患によって残業が発生することが少ないので、仕事帰りの予定が立てやすく、仕事とプライベートを両立しやすいという点も人気です。

審美歯科は、患者さんの多くが仕事帰りの社会人であるため、診療時間が遅めに設定されている歯科医院も多いのが特徴です。土日祝がお休みでないことも多いです。スタッフはシフト制での勤務になりますので、医院によっては時短勤務ができたり、週休3日制などでゆったりと自分のペースで働いたりすることも可能です。

結婚・出産を経て、子育ての真っ最中という歯科衛生士の方は、ちょうどキャリア的にも衛生士としての腕に磨きがかかって脂がのりきっている時期でしょう。そんな時、過去の先輩衛生士は泣く泣く仕事の現場から去ることを選んだ人もいます。審美歯科サロンが多く開業されるようになった今の時代、子育て中の忙しいママさん衛生士も、身につけた技術を活かし、仕事をやめずに子育てと両立しながらのびのびと活躍できる場が増えたことも喜ばしいことと言えます。

つまり、審美歯科を中心とする審美サロンは、歯科衛生士としての技術を求められる現場だけあって、これまでよりも歯科衛生士が自由に働ける環境が整っている歯科医院が多い傾向にあるといえそうです。歯科衛生士も、新しい歯科医院のジャンルである歯科サロンなどを勤務先に選ぶことで、働き方を自由に選択できる時代になりました。

審美歯科への就職を有利にするために

人気が集まっている審美歯科・ホワイトニング・美容歯科で、歯科衛生士のキャリアアップにつながる資格を紹介します。

審美歯科でキャリアを積むと、さまざまな資格を取得できます。逆に、資格を必要とする施術を提供するので、高い技術力や知識が求められるともいえます。経験者の場合、こうした資格をとっていると、有利な転職活動もしやすいといえるでしょう。

ホワイトニングコーディネーター

歯科衛生士だけが受験できる認定資格です。国家資格を持つ歯科衛生士が、さらにホワイトニングについても正しい知識を修得していることを認定された資格です。一般社団法人日本歯科審美学会が試験を実施し、全国で、約1万人以上のホワイトニングコーディネーターが誕生しています。

ホワイトニング全般にわたり、正しい知識と技術をもっていることが認められていますので、歯科医院によっては資格手当が出るところも多いですし、転職活動でも資格が有利にはたらきます。

トリートメントコーディネーター

歯科医院、なかでも審美歯科といった患者さんとのコミュニケーションが重要視される歯科医院で重宝される資格です。患者さんのコンサルティング力、最新の治療法や予防に関する知識力、チーム医療や医院経営などに関するマネジメント力を磨くための講習会を受講し、認定試験に合格すれば資格を取得できます。一般社団法人 日本歯科TC協会が試験を実施しています。

歯科医院によっては、患者さんへの説明やヒヤリングはすべてトリートメントコーディネーターが担当し、施術の際に担当の歯科衛生士に交替するシステムを採り入れているところもたくさんあります。満足度の高い顧客サービスができるとあって、注目を集めている資格です。

受験資格は歯科衛生士だけに限らず、歯科医師に勤務するスタッフであったり、歯科医療関連業務に従事していたりすると、与えられます。歯科助手がチャレンジすることも多い資格なので、最初に受ける資格試験として検討してみるのもおすすめといえるでしょう。

インプラントコーディネーター

日本デンタルインプラントコーディネータ協会(JDICA)が主催する養成講座に参加して、資格認定試験に合格すると「デジタルインプラントコーディネーター」の資格が与えられます。

歯科医師や歯科衛生士が取得する、国家資格に続く第2の資格として、今後注目が集まっていく可能性が高い資格です。審美歯科とも深い関連性があるインプラントについての全般的な知識を有しているということで、転職活動に際しては有利にはたらくことでしょう。

美容口腔管理認定歯科衛生士

美容口腔管理学会による認定資格です。美容口腔管理学会は、歯が機能的に健康な状態であっても、お口全体をトータルに観たときに美しくあるためにどうすればよいのか、ということを科学的に検証し、追及していくための学会です。

美容口腔管理認定歯科衛生士は、美容の観点からお口の管理に関する基礎知識や施術のスキルを修得し、普及とアドバイスをする人材として業界に貢献できることを認定された資格です。

日本アンチエイジング歯科学会 認定歯科衛生士

健康長寿に関心が高い日本において、加齢にたちむかうこと…アンチエイジングは注目を集める課題です。そのポイントである容姿管理、生活管理、寿命管理の重要な3項目に、歯科医療は大きな関わりがあります。

日本アンチエイジング歯科学会では、歯科医師や歯科技工士向けの資格、コーディネーター資格も認定を行っています。認定歯科医師、認定歯科衛生士の資格のほか、サプリメントアドバイザー、ビューティーアドバイザー、メディカルアロマアドバイザーの資格も用意しています。

メンタルケア心理士

特に歯科医院の治療技術などとは直接の関係はありませんが、患者さんのカウンセリングは重要な業務である審美歯科では、取得しておくと非常に役立つ資格です。メンタルケア心理士は、カウンセリングの基本的なテクニックや解剖生理学、薬理学、精神科学といった幅広い視野からみたメンタルケアについて修得していることが認められた資格です。

医師、看護師など、患者さんとのコミュニケーションが欠かせない医療や福祉関係の従事者に、受講者が多いといえます。
内閣府認証 特定非営利活動法人医療服地情報実務能力協会が、試験を実施しています。

審美歯科への就職活動

審美歯科や美容歯科は、自費診療の割合が高いことからも患者さんの期待値が高く、プロフェッショナルに徹することが求められる歯科の特殊な診療科といえます。

また美しさに敏感な患者さんが多いことから、身だしなみなどにも気を配る必要があります。歯科医院によっては、サロンの内装やインテリアを、まるでエステサロンのような優雅な雰囲気に整えているところもあります。グランドホステスのような装いの受付スタッフが居たり、容姿端麗な歯科衛生士さんがずらりと揃っていたり・・・ということもあります。

オーナーの方針で実際に美人のみ採用している歯科医院もあるかもしれませんが、容姿が整っていることよりも、飛行機の客室乗務員などと同様で、接客の要素が強く求められるわけですから、好感を持たれる身だしなみや立ち居振る舞いが必要であることは言うまでもないでしょう。

ただし歯に関してはプロフェッショナルですから、歯並びが悪いところは矯正したり、黄ばんだ歯をそのままにせずホワイトニングで改善したりといった努力をおこなっておくことは、プラスにはたらかないことはありません。歯科医院によっては、就職してから従業員価格で、院長先生自らが歯の治療をおこなってくれるところもあります。求人情報の福利厚生に記載されていますので、ぜひ、ご自身にあったところを見つけてください。

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【著者:ナチュラル・ハーモニー】

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