歯科衛生士の皆さんが今以上にキャリアアップしたい、と考えられたときにお勧めにしたいのが、認定資格の取得です。
歯科衛生士の認定資格は、歯科衛生士の業務のところでもいくつか取り上げましたが、ここでは、具体的にどういった資格なのか、取得するために必要な経験や、規定などをお伝えしたいと思います。
インプラント専門歯科衛生士
インプラントは、少し前までは金額が高く、「保険診療内で」と言われる患者さんが多かったときには、そこまで普及していませんでしたが、最近では、処置後の見た目のキレイさや、価格が下がってきたこと、患者さんの意識の向上、技術の向上などもあり、非常にニーズが増えてきたものと言えるでしょう。
インプラント専門や、インプラントの高い技術があることをアピールしている医院も多くなっています。そういったインプラントの高い技術を必要としている歯科医院に対して、インプラント専門歯科衛生士の認定資格があれば、転職には非常に有利になるのではないでしょうか。
取得するための概要
取得するための概要は以下の通りです。
(出典:公益社団法人 日本口腔インプラント学会)
以下の認定条件(受験資格)を満たし、且つ、試験に合格した歯科衛生士が取得できます。
- 日本国歯科衛生士の免許証を持っていること。
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会の正会員を2年以上継続していること
→正会員になるには入会金、5000円、年会費10,000円、そのほか、論文の投稿や、学術大会への参加等が必要になります。 - 3年以上のインプラント治療の介助、または、メインテナンスに携わっていること
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会の正会員として、本会の学術大会、または、支部学術大会に2回以上、参加していること。
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会の正会員として、インプラント専門歯科衛生士教区講座を2回以上、受講していること。
- 最終補綴物を装着して、2年以上経過した症例のインプラント治療の介助又はメインテナンスを行った経験が3症例以上あること。
※補綴物とは、歯が失われてしまった部分を人工物で補うことをいいます。具体的には、インプラント、インレー、クラウン、ブリッジ、義歯などを指します。 - 口腔インプラント専門医の推薦、1名があること。
上記のすべての条件を満たした人に、インプラント専門歯科衛生士試験の受験資格があり、必要な書類を揃え、更に、試験審査料10,000円を支払い、受験することができます。試験の内容は、症例報告による口述試験方式で行われます。試験時間は20分程度です。また、この資格には、5年ごとの更新手続き必要です。指定された期間内に更新されなかった場合は、この資格は喪失してしまいます。
尚、このインプラント専門歯科衛生士の試験や、歯科衛生士や歯科医師の行うべき診療業務については、上記に記載した公益社団法人 日本口腔インプラント学会のホームページに記載されています。
学術大会への参加など取得すべき単位等、細かな決まりがありますが、ご自身のキャリアアップのため、そしてこれからの歯科業界には必要な認定資格といえるのではないでしょうか。
ぜひ、ご興味のある方はチャレンジしてみてください。
ホワイトニングコーディネーター
若い女性を中心に保険診療外でも歯の見た目をきれいにしたい、そういった願望が強くなり、昨今、急激にニーズが増えてきているのが、歯のホワイトニングです。ホワイトニングとは、大きく分けて2つ。歯を削り、削った歯にセラミックをかぶせて白くする方法。そして、最近10年程度で急速に普及してきた、薬を塗って歯に塗り、歯の表面の色素を分解し、本来の白さを取り戻すことができるようにする、といったものです。
身体にメスを入れて変化させる美容整形にはまだ抵抗があるけど、ホワイトニングならしてみたい、といった人、ビジネスでの好印象を目指してホワイトニングに興味を持つ人など様々ですが、ホワイトニングの需要が大きく増えてきたのは確かです。都市部を中心に全国的に、ホワイトニング専門の歯科医院も多く誕生しています。そこで、注目されているのがホワイトニングコーディネーターの認定資格です。
取得するための概要
概要は以下の通りです。
以下の認定条件(受験資格)を満たし、且つ、試験に合格した歯科衛生士が取得できます。
- 日本国歯科衛生士の免許証を持っていること。
- 一般社団法人日本歯科審美学会の会員であること。
- ホワイトニングコーディネーター認定講習会を受験すること。
- ホワイトニングコーディネーター認定試験を受験し、合格すること。
尚、一般社団法人日本歯科審美学会の入会方法については、次の通りです。
日本歯科審美学会のホームページから、入会資料の請求をします。そして、入会金・年会費を支払います。
入会金 4,000円
年会費 12,000円(歯科医師・研究所勤務者)
6,000円(歯科衛生士・歯科技工士、その他)
入会が認められた後、ホワイトニングコーディネーターの認定試験へと進みます。ホワイトニングコーディネーターの講習会は不定期に、全国各地で行われています。詳しい日程などは一般社団法人日本歯科審美学会のホームページから確認してください。
ホワイトニングコーディネーター講習会及び、認定試験について
ホームページの申し込み欄から申し込みをします。そして、送られてきた通知書のとおりに、講習会参加費5,000円と、認定資格審査」 受講料3,000円を納入します。なお、認定資格試験は、4肢択一式問題です。試験に合格し、認定されると、認定証と認定ピンバッチが送付されます。
ホワイトニングコーディネーターの更新について
更新期間 3年ごと。認定期間最終日の1年から6カ月前までに更新申請書類をホワイトニングコーディネーター事務局まで送付すること。
更新するためには、以下の条件を満たすことが必須です。
- 更新申請時の時点で一般社団法人日本審美学会の会員であること。
- 更新前2年間に、一般社団法人日本審美学会が主催する、学術大会、セミナー、シンポジウム、コーディネーター講習会など、その他学会が認める歯科審美に関する国際学会の学術大会に2回以上参加していること。
以上の2年が必要となります。
更新手数料 3,000円
女性だけではなく、男性にも関心が高まっているホワイトニングの専門知識を学ぶチャンスです。あなたのキャリアアップにつなげてみてはいかがでしょうか。
歯科衛生士としてのキャリアアップについてのご相談も歯科転職ナビへ問い合わせください。