キャリアアップ

歯科衛生士の給料に関するまとめ!転職を成功させるために徹底解説します

キャリアアップ

歯科衛生士として転職活動を行う方にとって、一番気になるのは、ずばり「お給料」ではないでしょうか?

「転職するけど平均給料よりも高いの?」

「そもそも月給と年収の違いって何?」

「お給料を上げるためには何をすればいいの?」

このような疑問は尽きないのではないでしょうか?

この記事では、これから転職活動を開始する歯科衛生士さんが知っておきたい「お給料」について徹底解説します!

歯科衛生士の給料について

まずは、歯科衛生士のお給料についてのデータをみてみましょう。

歯科衛生士の月給、年収、年間賞与について

2020年に厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査によると、歯科衛生士の平均的な月給、年収、年間賞与は下記のようになっています。

年収   3,561,000円

月給   255,900円

年間賞与 49,300円

これを月々の手取り給料で換算すると20万円前後となります。

ちなみに、このデータは10名以上の歯科衛生士が勤務する歯科衛生士の給料であり、平均年齢35.5歳、平均勤続年数6.5年、平均残業時間6時間(月)という状況を反映しています。

よって、既に経験年数が長い歯科衛生士や残業時間が長い歯科衛生士はこれ以上のお給料をすでにもらっているために「低いなぁ」と感じるかもしれません。逆に、まだ歯科衛生士の免許を取って間もない歯科衛生士さんにとっては「そんなにもらっているんだ!」と感じるかもしません。

あなたがどのような歯科衛生士で、どのような歯科医院に勤務していて、どのような働き方をしているかによってデータを見たときの印象は大きく異なるとは思います。まずはあくまでも平均的な歯科衛生士の状況を把握しておきましょう。

なお、以下では全てのデータが厚生労働省の賃金構造基本統計調査を参考に記事を執筆しています。詳細はボリュームがあるため省きますが、気になる方は是非ともリンク先を読んでみて下さいね。

参考リンク

厚生労働省 賃金構造基本統計調査

賃金構造基本統計調査|厚生労働省
賃金構造基本統計調査について紹介しています。

歯科衛生士は年齢によってお給料は上がるの?

歯科衛生士の平均的な給料を知ったら、次は歯科衛生士の条件によってお給料が異なるかを知っていきましょう。

まず、年齢です。

歯科衛生士では、基本的には年齢が上がるにつれて年収が増加する傾向にあります。これは多くの歯科医院においては昇給制度があるために、経験年数が上がるたびにお給料が上がっていくことと関連しているものと考えられます。

しかし、40代以降では年収が減少する傾向を示す年もあります。これはライフイベントと重なって歯科衛生士として正社員勤務をすることが難しくなる人がいたり、そもそも正社員として働くことを必要としなくなる人がいるためと考えられます。

一方で、60代以上でも一定の年収を得ている人がいることも示されています。歯科衛生士は専門職であり技術職であるため、働き口に困らないと考える人は少なくないと思います。実際にそれを裏打ちするようなデータが、定年を超えても高い年収を有している歯科衛生士が多数いることではないでしょうか。

歯科衛生士は働く地域によって年収が違うの?

次に、地域です。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、各都道府県の歯科衛生士の月給や年収も算出しています。各都道府県のデータが同一の年齢、勤続年数、残業時間でないために一概に比較することは出来ませんが、参考までに知っておきましょう。

大まかな傾向としては大都市ほど(特に関東)年収が高くなる傾向があります。これは物価や有効求人倍率を反映しているものと思いますが、多くの方が抱くような「都会ほどお金が回っている」という印象と合っているのではないでしょうか。

ただ、大都市ほどお給料が良いからと言って、すぐに大都市での転職を決心するのはやめましょう。

例えば、東京であれば1LDKの小さな部屋であっても家賃がかなりの金額になってしまいます。一見するとお給料が低い地域でも上手に住む場所や買い物をする場所を選ぶことで、裕福に暮らすこともできることを覚えておきましょう。

歯科衛生士は他の職種よりもお給料は良いの?

そして、職種比です。

歯科衛生士は医療免許であるため、他の医療免許を持つ有資格者とどれくらいお給料の差があるか気になるものですよね。

やはり、医師と比べると明らかにお給料が低いですし、お給料が高いイメージのある薬剤師と比べると低いという現状があります。また、これらの職種よりも近しい看護師やリハビリ職と比べてもやや低く、ヘルパーや病院の看護助手と比較すると同程度という状況です。

ただし、これらにおいても一概に歯科衛生士の給料が低いということはできません。先述したようにキャリアの中断があることや病院などの大組織よりも歯科医院などの小規模な組織に所属するという背景があるためです。

ちなみに、「看護師も同じように女性が多いのでは?」と考えるかもしれませんが、看護師であれば夜勤が多いために他の職種よりもお給料が高くなっています。同じ条件で働いたときにどうなのか?同じくらいのお給料があったとして夜勤などは見合うのか?などを考えてみると、決して簡単には高いと言えないことが分かると思います。

お給料だけを比較すると落ち込んでしまうかもしれませんが、冷静に比較するようにしましょう。

歯科衛生士の待遇について

お給料と同じくらいに考えておきたいのは、待遇です。

下記のような項目は転職活動をするうえで知っておくべき内容ですので、目を通しておきましょう!

社保完備の歯科医院かどうか

歯科衛生士の求人を見ていると「社保完備」などと書かれている場合があります。

この社保とは、広義には健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの保険のことを指します。狭義には厚生年金保険・健康保険・介護保険の3つの保険のことを指します。

一般的に労働者として雇用される場合には、これらに加入していることがほとんどです。しかし、従業員が5名以下の歯科医院の場合には加入義務がないために入っていないという場合があります(上記の全ての保険に入らないわけではありません)。

なぜ加入しないかというと、歯科医院は社会保険に加入することで、歯科衛生士として働くスタッフの健康保険料や厚生年金の半額を負担することとなります。その額はおおまかに人件費を二割ほど高めてしまう額になってしまうため、より多くの収益を出さないと経営できないことになってしまうためです。(裏を返せば社保に加入しないことで実質の売上が高くなります)

そのような場合には、歯科衛生士自身で加入する必要があります。つまり、見かけ上のお給料が高くても実質の手取りが減ってしまうという事態になります。

転職活動を行う際には、社保がどのような状況であるかを確認しておきましょう。

教育制度や研修補助制度は充実しているか

歯科医院によっては歯科衛生士の教育に力を入れているところがあります。

やはり歯科衛生士は専門職ですので、10年後も20年後も通用する知識と技術を身に着けておきたいものですよね。そのためには日々の業務で先輩から教えてもらったり、研修に行く必要があるのですが、それらに対する歯科医院のサポート体制はとても重要になります。

歯科衛生士を働くコマとしてしかみていないような歯科医院であれば、これらに乏しく、出来るだけ費用をかけないようにしていることがよく分かります。

募集要項などを見てみると「研修補助制度あり」や「学会参加費補助あり」や「書籍購入補助制度」といった内容が記載されていることがあるので、確認するようにしてみましょう。

各種手当は充実しているのか

多くの歯科医院の求人票を比較みると、各種手当に違いがあることに気付きます。ここでは、歯科衛生士でも付与されることのある代表的な手当を紹介します。

残業手当:

ご存知の通り、残業した時間に対して払われる手当です。日々の勤務時間を超えた分に対して基本給を基に金額が算出されて支払われます。

歯科衛生士の残業代で気をつけたいのは、「みなし残業」という制度がとられている場合です。これはあらかじめ何時間かの残業することを前提に給料が設定されております、どれだけ残業をしても追加の残業代が支払われることがないというものです(逆に残業しなくても残業代は支払われますが、規定時間内に収まることは少ないものです)。

歯科医院以外ではあまり聞かないものですが、未だに取り入れている歯科医院も少なくないために必ず確認するようにしましょう。

住宅手当:

あなたが住む家の家賃やローンの一部を補助してくれる手当のことです。小さな歯科医院ではないことがほとんどですが、病院など大組織であれば支給されていることが少なくありません。一般的に賃貸であるほうが住宅手当は高く、持ち家の場合には少なくなります。

「あってもなくても一緒だよ」と思うかもしれませんが、年間で数万円になるために生活に大きな影響を与えます。

通勤手当:

電車やバスといった公共交通機関を使っている場合には、利用した分の交通費や購入している定期代が支払われます。多くの歯科医院で上限が定められていますが、近隣で働くことの多い歯科衛生士にとってはそこまで達することはないため満額が支給されることがほとんどです。

また、地方であれば自家用車で通勤する場合も少なくありません。その場合には距離に応じてガソリン代として交通費が支給されます。必ずしも通勤に使った満額となるわけではありませんが、こちらも大きな額となります。

また、自転車や徒歩で通勤している場合にも通気手当が若干ではあるものの支給されていることもあります。

役職手当:

小さな歯科医院においても、歯科医院に対して役職を定めていることは少なくありません。役職手当として5,000-10,000円といったまとまった額が決められています。

ただし、小さな歯科医院で歯科衛生士が長く勤めている場合には、役職が空くとは考えないほうが良いでしょう。

引き抜きで転職をするような場合を除いては、基本的にはあまり考慮に入れないほうが良いでしょう。

資格手当:

歯科衛生士という資格に対して手当を支給している歯科医院は多いものです。

これは事務スタッフとの給料差を出すために支給していることが背景としてあります。やはり、事務スタッフと同じ給料であれば嫌と感じてしまう歯科衛生士は多いですよね。

ちなみに、後述するように歯科衛生士としてキャリアアップを図り、それに対して手当を支給している歯科医院もあります。

皆勤手当:

規定の日数を休まずに出勤することによって支給される手当です。

計画的に有給を取ることは問題ありませんが、急に休んでしまうと少ない人数で回している歯科医院にとっては大きな痛手です。それを防ぐ意味も兼ねて導入しているところが少なくありません。

ちなみに、出勤しているだけで手当をもらえると感じる人もいて、なんだかお得な手当ですよね。

往診手当:

歯科医院によっては在宅医療を担っているところもあり、訪問歯科を展開しているところがあります。訪問歯科では車を運転して患者さんの自宅に行くことが多く、暑さや寒さに耐えなければならなかったり、危険に晒されることがあったり、汚い家に入らなければならなかったりするものです。

それらに対する手当として往診手当を用意しているところがあります。夏場や冬場になるとこの額が増えるような歯科医院もあり、お給料の側面から訪問歯科を選ぶ歯科衛生士も増えてきています。

他にも、転職に際して引っ越し手当やお祝い金を手当として支給しているところもあります。様々な求人票を見比べてみると違いに気付くので、複数を見るようにしましょう。

ただし、手当があればそれでいいというわけではありません。

手当が多数つけられている歯科医院では、それによって見かけ上のお給料を高くつけることができます。そのため、「基本給10万円、各種手当20万円…総支給額30万円」といった内訳にすることも可能となります。

このように手当を分厚くして基本給を下げると、歯科医院はそこに「2ヶ月分」といって支給するボーナスや退職金を下げることができます。

手当がたくさんついていることは嬉しく感じるかもしれませんが、そこにカラクリが隠されていることもあるので注意しながら求人票を見るようにしましょう。

健康診断や予防接種は実施されているのか

歯科医院が職員を雇用していると、健康診断や予防接種を実施しなければなりません。

しかし、実態としてそれらを行わずにいる歯科医院も存在します。当たり前のように健康診断を受けてきていた歯科衛生士からすると驚くものですが、当たり前の歯科医院で働くとそれが次第になってくるものです。

このような歯科医院ではそもそものコンプライアンスが守られていないことが多いため、健康診断以外にも何かしらの危険な条件が潜んでいるかもしれません。注意しながら求人票を眺めたり、見学を行う方が良いでしょう。

歯科衛生士のお給料をあげるために

ここまで歯科衛生士の給料の基本や、お給料以外で大切な待遇について解説しました。

ここからは歯科衛生士としてお給料を上げるためにはどうすればよいかを考えていきましょう。

ひとつの歯科医院で継続して勤務する

まず、単純な方法としてひとつの歯科医院で働き続けるということが挙げられます。

多くの歯科医院では毎年の定期昇給が設定されているため、長い間在籍することによってお給料を上げることが出来ます。国立や公立系の病院であれば昔ながらの昇給率であるために、長年居ることが良いでしょう。

一方、小さな歯科医院では昇給額が少ないところもあります。年間に2000円程度しか上がらないところが多く、近年では昇給の上限を設定しているところもあります。年間に換算すると少額であるため、計算して計画を組むようにしましょう。

また、小さな歯科医院では院長の状況に左右されるというリスクについても留意しておく必要があります。これは、院長が高齢であり後継ぎを考えていない場合には、長年勤めても歯科医院自体がなくなってしまうという可能性があることを指します。

あなたが歯科衛生士として何年働き続けるのか、そのときに歯科医院がどのような状況になっているのか等を考慮して、この方法での昇給を考えましょう。

歯科衛生士としてのキャリアアップを図る

歯科衛生士としてのキャリアアップを図ることで給料アップに繋がることもあります。

・認定歯科衛生士

・大学院進学

・歯科業界以外の民間資格

これらを取得することで手当ての増額や昇給金額アップに繋げてくれる歯科医院があります。また、年俸制の歯科医院でおいては、キャリアアップを年俸アップの交渉材料として使うことも出来ます。

ただし、実際にはこれらのキャリアアップを図って必ずしもお給料アップには繋がらなかったという歯科衛生士が少なくありません。やはり、キャリアアップを図っても評価してくれるか否かは別問題ですし、評価されたとしても給料に繋げてくれるかはさらに別問題であるためです。

しかし、キャリアアップによって歯科衛生士として自信を持てるというメリットがあります。歯科衛生士としての自信があれば「どんな歯科医院でも働くことが出来る!」という気持ちに繋がり、後述する転職にも前向きになれます。

待遇の良い歯科医院へ転職する

最もはやくお給料を上げるためには、歯科衛生士としての待遇の良い歯科医院に転職することです。

しかし、待遇の良い歯科医院に転職を考えたときに、歯科衛生士として素晴らしい知識や技術があって、経験が豊富でないとダメだと感じてしまう方も少なくありません。「自分には転職なんて…」という気持ちになるのは、みんなありますよね。

実際には歯科衛生士としてそれほど特筆するようなスキルや経験がない方であっても、条件の良い歯科医院への転職を成功させている方は少なくありません。

その理由は、歯科衛生士の待遇が歯科診療に関するスキルや経験以外の要素によっても決められるためです。

・職場の雰囲気を良くする歯科衛生士

・人手不足のタイミングで転職してくれる歯科衛生士

・歯科衛生士にはできるだけ高待遇で働いてほしいと考える院長

・自費診療に力を入れているために利益率の高い歯科医院

このような条件が複数重なることで、歯科衛生士としての待遇が決定されることになります。

「自分なんかが良い待遇で働くのは難しい…」と考える歯科衛生士であっても、歯科医院の方針とマッチすることで一気に待遇が良くなることも少なくありません。

ただし、自分一人で条件の良い歯科医院を見つけることは至難の業です。後述する、転職サポートの専門家である転職エージェントをうまく活用することで、有利な条件での転職活動を進めることができます。

転職エージェントが介入したことによって給料交渉をしてもらい、年収や手取りが大きく上がったという歯科衛生士もいます。

転職活動は一人で行わないことが大切です。

おわりに

この記事では、これから転職活動を開始する歯科衛生士さんが知っておきたい「お給料」について徹底解説しました。

転職活動とは、どのような歯科医院があるのか、どのような歯科医院が自分にぴったりなのか、お給料を上げるための方法を知っているのか…これらの情報戦であると言えます。そのため、単に歯科医院を探すだけでは満足なお給料をもらえないことが多々あります。

この記事で紹介したことは、転職エージェントを活用することで詳細な情報を得ることが出来ます。それは、転職エージェントが転職活動における情報戦を大きく有利にするためです。

特に、歯科転職ナビであれば歯科業界に特化した転職エージェントが多数在籍しているため、各地域の歯科医院の詳細な情報や転職を有利に進めるためのポイントを数多く知っています。また、転職活動が初めての歯科衛生士の転職サポートも数多く手がけたことがあるため、些細なことでも相談しやすいという特徴もあります。

転職活動をしていると面倒なことも多いですが、時間をかけてしっかりと調べて考えることで必ず条件の良い歯科医院を見つけることができます。諦めずに、あなたにぴったりの歯科医院を見つけましょう!

まずは歯科転職ナビにご登録していただき、情報収集してみてくださいね!

タイトルとURLをコピーしました