歯科衛生士の転職活動で心配事としてよく挙がるのは、面接です。どのような内容を聞かれるのだろうか、どのように答えればよいのか…質疑応答はどれだけ事前に準備しても心配なものですよね。
この記事では、歯科衛生士の転職活動で大切な面接での質疑応答を乗り越えるポイントを解説します。これからの転職活動に活かしてくださいね!
歯科衛生士の面接における質疑応答のポイント
質疑応答では歯科医師の院長が自由な質問をあなたに投げかけてきます。
とはいえ、本当に何でもありの質問ばかりのことは滅多にありません。ある程度決められた内容から質問することが多いため、それらをちゃんとおさえておくことで乗り越えることができます。
ここでは、代表的な質問内容を紹介します。
歯科医院の志望動機
院長として一番気になるところはここです。
歯科医院の数はコンビニ以上とまで言われるほどに多く、よほど過疎地でない限りは徒歩圏内に点在しているような状況です。そのようななかで、なぜ転職希望先の歯科医院を選んだのかは、院長としては知りたいものです。
本音では…
・給料が良かった
・通勤が楽
・たまたま目に入ったから
といった理由が志望動機であることもありますが、このような理由を回答するのは控えましょう。院長から「別にどの歯科医院でも良かったんだな」と思われるのは、転職が失敗する可能性を高めますし、入職後にも印象が悪いところからスタートしてしまいます。
そのため、下記のような回答をするようにしましょう。
・見学で院長とスタッフとの関係が良好で好印象だった
・勉強熱心な歯科衛生士から勉強できると感じた
・地域の歯科医療を熱心に考えていることが伝わった
もちろん、嘘をついて好印象を残す必要はありません。あなたが転職活動をするなかで魅かれた理由について振り返り、それを言語化するようにしてみましょう。
あなたの長所と短所
次に院長が気になるのは、あなたがどのような歯科衛生士であるかです。下記のようなポイントから長所や短所を述べるようにしましょう。
・一緒に気持ちよく働くことができるか
・スタッフや患者さんとトラブルを起こさないか
・歯科医院の雰囲気を良いものにしてくれるか
・仕事に対して熱心であるか
長所については、下記のように述べると良いでしょう。
「私は周囲の人たちとすぐに打ち解けられるところが長所です。はじめて関わる患者さんから「あなたには相談しやすいわ」と言ってもらうことが前職では多く、スタッフとも日々楽しく仕事をしていました。この歯科医院でもこの長所を活かして、よい雰囲気作りに貢献できると考えています。」
単に「私はコミュニケーションが得意です!」と述べるだけでなく、具体的なエピソードと転職することによって貢献できるところを伝えることがポイントです。これによって院長も長所を具体的に理解することができ、現場で働く姿をイメージすることができます。
一方、短所については下記のように述べるのが良いでしょう。
「私は新しい物事を覚えるのが苦手です。新しい機器の使い方やはじめての患者さんの名前をなかなか覚えることが出来ず、困ることがありました。ただ、今は心配なときには必ずメモを取るようにしていて、それによって困ることはなくなりました。転職して最初のうちは迷惑をかけるかもしれませんが、出来るだけ早く慣れるように頑張ります。」
こちらも単に短所のみを述べるのではなく、それによって現場でどのような迷惑が生じてしまうのか、どう対策しているのかを伝えることが大切です。短所は出来れば隠したいものですが、ひとつもない人なんていません。転職前に理解してもらうことも含めて、しっかりと伝えるようにしましょう。
歯科衛生士を目指した理由
明確な理由がない場合には「なんとなく目指しました…」と言いたくなってしまいますが、この回答では院長に与える印象があまり良くないですよね。下記のように回答しましょう。
「子どもの頃に歯医者は怖いと聞いていたのですが、実際に行ってみると歯科衛生士さんが優しく話しかけてくれてイメージが変わったんです。そこから、私も歯科衛生として歯医者を怖がる子どもに何かできるようになりたいと思い、志しました。」
このように明確な理由がある場合には、具体的なエピソードを交えて伝えるようにしましょう。もし、歯科衛生士を志したときにこのようなものがなければ、働くなかで見つけていった楽しさややりがいを振り返ってみましょう。
「歯の健康を守ることは大切だと聞き、歯科衛生士を志しました。歯科衛生士になった最初はそれをちゃんと分かっていなかったのですが、実際に働き始めると歯が健康であることが日々の生活に直結していると実感してきました。」
目指した理由は曖昧なものであっても、働くなかでやりがいを見出していったエピソードは一緒に働く歯科医師にとっては心強いものです。
前職を退職した理由は何か
新卒ではなく転職の場合には必ずといっていいほど、聞かれる内容です。やはり、なぜ前職を辞めたのかは気になるものです。
・結婚や出産などのライフイベントがあった
・院長や同僚歯科衛生士との人間関係が合わなかった
・残業が多くて体調を崩してしまった
・キャリアアップで勉強できる歯科医院に行きたかった
様々な理由があると思いますが、ここでは嘘をつかずに理由を述べるようにしましょう。というのも、院長は人事のプロではありませんが、様々な歯科衛生士の面接をしていることが多いものです。嘘を言っている場合には簡単に伝わってしまいます。
このとき、「人間関係が合わなかった」などの理由はネガティブに捉えられてしまいそうで伝えるのが心配になるものです。これに対しては「歯科衛生士としてスキルアップできるような人間関係の歯科医院で働きたかった」といったように伝え方を工夫することで、悪い印象を与えないようにしましょう。
前職ではどのような経験をしてきたか
前の質問と同様に、よく聞かれる質問です。
院長が経験者を採用するときには、即戦力として働くことができるか、求めているスキルを有しているか等を見極めるときに行う質問です。
・どのような業務内容をしてきたのか
・どのような患者さんを1日に何人みてきたのか
・あなたの好きや得意な業務は何か
これらを回答するなかで、あなたの強みをアピールすることができます。
とはいえ、過度にアピールすることは転職が成功した後に不利益を被ることになります。「●●が得意って言っていたから採用したのに、実際に働いてもらったら全然できてなかったよ…」と思われてしまっては、転職直後からマイナススタートになってしまいます。あくまでも実際に行っていた経験がそのままに伝わるように気を付けて話すようにしましょう。
さいごに何かありますか?
この質問は、面接を受ける側が院長に対して質問できる唯一の時間です。
・歯科衛生士のみなさんが実際に帰っている時間はどれくらいですか?
・患者さんはどのような方が来院されますか?
・前職で使ったことのない機器が多いようなのですが、大丈夫でしょうか?
心配になっていることや気になっていることを正直に聞いてみましょう。ここまでの質疑応答をしっかりと対応できていれば、院長は快く回答してくれるはずです。
実は、面接対策をせずに困るのはこの質問です。いきなり聞かれると何を言っていいかわからないものですが、事前に整理しておくことで有意義な時間になります。
ちなみに、この場ではお金や待遇といった聞きにくい質問もありますよね。とくに、募集要項と異なる内容が提示されたときには不審に感じてしまい、かまえてしまうものです。このような場合には、転職エージェントを活用している場合には質問を依頼することができます。面接後に連絡をして、代わりに聞いてもらうようにしましょう。
内容だけでなく、話し方や見た目も大切!
面談における質疑応答対策では、内容ばかりを気にしてしまうものです。
しかし、内容がばっちりであっても、転職後に一緒に働くことが難しいと印象を与えるような話し方や見た目をしていては意味がありません。面接内容だけに気を取られないように注意しましょう。
面接対策は転職エージェントを活用しよう
ここまで面接での質疑応答のポイントを紹介しましたが、対策をしっかりと行うためには一緒に考えてくれるパートナーが必要です。そこで、あなたにもし転職活動に強い友人や家族がいるならば協力してもらえばよいのですが、いない場合には転職エージェントを活用すると良いでしょう。
転職エージェントとは転職活動をサポートするプロのことで、あなたの希望に沿った歯科医院を紹介してくれたり、面接対策をしてくれたりします。さらには歯科医院の情報を多数有しているため、あなたが転職を希望している歯科医院の院長がどのような性格なのか、どのような質問をしてくるか等の情報を持っていることもあります。
「転職したい歯科医院は決まっているから、転職エージェントは使わなくても大丈夫!」と思うかもしれませんが、転職の不安を払拭するためにも有効に活用してみてください。
おわりに
この記事では、歯科衛生士の転職活動で大切な面接での質疑応答を乗り越えるポイントを解説しました。
質疑応答はどれだけ準備しても心配なものですが、実際にはある程度決まった内容が扱われることが多いために準備すれば準備するほど対策ができます。しっかりと対策をして面接に向かってみてくださいね。
歯科転職ナビの転職エージェントは面接の対策も一緒に行います。一人きりでは十分に対策しきれない場合が多いので、うまく活用してくださいね!